南部鉄瓶のお手入れ・育て方
南部鉄瓶は、正しく扱えば何十年も使える道具です。難しそうに見えて、ポイントは「よく乾かす」「内側をこすらない」の2つだけ。使い始めから錆びたときの対処まで、お手入れの基本をまとめます。
使い始め ─ 湯ならし(湯垢づけ)
新しい鉄瓶は、最初に「湯ならし(湯垢づけ)」をします。①八分目まで水を入れて沸かす ②沸いたら湯を捨て、余熱で内部を乾かす——これを数回(目安は3回ほど)繰り返します。最初は湯に色や金気(かなけ)が出ることがありますが、繰り返すうちに内側に湯垢が付き、まろやかな湯になっていきます。
毎日の手入れ ─ とにかくよく乾かす
使用後は残った湯を捨て、余熱で内部を完全に乾かすのが最大のポイントです。水分が残ると錆の原因になります。蓋も外して乾かし、湿気のこもらない場所で保管しましょう。
やってはいけないこと
- 内側をたわし・スポンジ・洗剤でこすらない(錆を防ぐ湯垢の被膜を落としてしまう)
- 水を入れたまま長時間放置しない
- 白い湯垢を無理に削り取らない
- 濡れたまま放置・急冷しない
内側の白い湯垢は、水のミネラルが結晶化したもので、赤錆から鉄瓶を守る働きがあるとされています。育つほど湯あたりがやわらかくなるともいわれます。
錆びてしまったら
内側に赤錆が出ても、あわてなくて大丈夫です。煎茶や緑茶の茶がらをだしパックに入れてしばらく煮出すと、お茶のタンニンと錆が反応して錆を落ち着かせられます(タンニン鉄の被膜)。その後、沸かした湯の色が透明で味に変化がなければ、そのまま使い続けられます。
白湯がまろやかになる理由
鉄瓶で沸かした湯は、口当たりがやわらかくなると古くから親しまれてきました。これは鉄という素材や、育った湯垢によるものといわれます。溶け出した鉄分を補える点も魅力とされています(感じ方には個人差があります)。白湯はもちろん、煎茶やほうじ茶などで違いを楽しんでみてください。
よくある質問
Q. 毎日使わないと錆びますか?
毎日使う必要はありません。使ったあとにしっかり乾かして保管すれば、間隔があいても大丈夫です。久しぶりに使うときは、一度湯を沸かして捨ててから使うと安心です。
Q. 内側は洗剤で洗ってよいですか?
いいえ。内側は洗剤やたわしでこすらず、基本は湯ですすぐ程度にします。洗剤や研磨は、錆を防ぐ湯垢の被膜を落としてしまいます。
Q. 食器洗い乾燥機は使えますか?
使えません。鉄瓶は手入れして余熱で乾かすのが基本で、食洗機は錆や傷みの原因になります。
Q. 外側が錆びてきました。どうすればいいですか?
外側は鉄肌のため、使ううちに風合いが変わります。気になる赤錆は乾いた布で軽く拭き、濡れたまま放置しないようにします。沸かしたときの蒸気で外側に水滴が残ったら、拭き取ると安心です。
出典:及源鋳造(OIGEN)公式「使いはじめ・お手入れ・サビのお手入れ・湯垢コラム」/水沢鋳物工業協同組合。お手入れは一般的な方法で、製品ごとに注意書きがある場合はそれに従ってください。